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イタリア・アルベロベッロ観光前に知っておきたい5つのTips

世界遺産登録数No.1を誇る世界遺産大国イタリア。そんなイタリアの世界遺産の一つに「アルベロベッロ」と呼ばれる街があるのをご存知ですか? 今回は「アルベロベッロの観光に行くのがもっと楽しみになった!」、「アルベロベッロに行ってみたい!」そんな気持ちになってもらえるといいなという願いを込めて、観光前に知っておきたいアルベロベッロのちょっとした“小ネタ”5つを紹介します。

アルベロベッロはイタリアの「かかと」部分にある

アルベロベッロは、南イタリアにあるプーリア(Puglia)州の州都・バーリ(Bari)の南東部にある小さな街。イタリアはブーツの形をしているとよく例えられますが、アルベロベッロはちょうどその「かかと」部分にあります。

アルベロベッロの街自体はとても小さいので(人口1万1,000人前後)、観光拠点をバーリに置き、バーリからの日帰り旅行または1泊2日の宿泊旅行で訪れるのがスタンダードかつ人気のコースとなっています。ちなみにバーリからアルベロベッロまでは、電車で約1時間15分です。

アルベロベッロってどんな街?観光をより充実させる5つのTips

「おとぎの国みたい」とよく言われているアルベロベッロ

「おとぎの国みたい」とよく言われているアルベロベッロ

そんな小さな街アルベロベッロですが、世界中から観光客が訪れている大人気の街です。アルベロベッロが多くの観光客を魅了している最大の理由は、そのメルヘンな街並み。アルベロベッロの街を歩いているだけで、誰もがまるで絵本の中に迷い込んだかのような気持ちになるはずです。

そんなメルヘンな街中をそぞろ歩くだけでも十分楽しいのですが、より充実した観光時間を過ごすために、アルベロベッロにまつわる以下の小ネタにぜひ目を通してみてくださいね。

1.「アルベロベッロ」はイタリア語で「美しい木」、でも実際は?

アルベロベッロは「美しい木」が並ぶ街?

アルベロベッロは「美しい木」が並ぶ街?

アルベロベッロという、意識せずともついつい巻き舌で発音してしまいそうなこのユニークな名前。イタリア語でアルベロ(Albero)は「ツリー(木)」、ベッロ(bello)は「美しい」を意味する単語で、アルベロベッロ(Alberobello)を単純に訳すと「美しい木」という意味になります。

ところが、アルベロベッロの本来の名前の由来は、ラテン語の「シルヴァ・アルボリス・ベッリ= Sylva Arboris Belli(戦争の森/木)」からきているという説が最も有効と言われています。

アルベロベッロ周辺では、ぶどうやオリーブの栽培も盛ん

アルベロベッロ周辺では、ぶどうやオリーブの栽培も盛ん

というのも、肥沃な土壌を有していたアルベロベッロでは、「農業で稼ぐ」ことを狙った周辺地域が植民地化を巡って激しい衝突を繰り広げてきたという歴史があります。当時のアルベロベッロは争いを生む土地として知られていたことから、「不和の林檎(※)」と形容されていたほど。

※「不和の林檎」という表現はギリシャ神話に出てくるもので、衝突するもの同士の中心にあるものを指す言葉です。

確かに、美しい木が並んでいるようにも見えるアルベロベッロ

確かに、美しい木が並んでいるようにも見えるアルベロベッロ

そんな激しい戦いが起こっていたのですから、アルベロベッロがかつて「シルヴァ・アルボリス・ベッリ(戦争の森/木)」と呼ばれていたのも納得。ではありますが、現在のイタリア語で表現されている「アルベロベッロ(美しい木)」の方が、今のメルヘンな街並みにはやっぱりしっくりきますよね。

2.アルベロベッロの目玉といえば、世界遺産に登録されているトゥルッリ(Trulli)

アルベロベッロの住居群(トゥルッリ)

アルベロベッロの住居群(トゥルッリ)

アルベロベッロをメルヘンな世界に仕立てている最大の立役者といえば、トゥルッロ(Trullo)。トゥルッロとはアルベロベッロに伝わる独特な造りをした家のことで、トゥルッロ(単数系)がたくさん集まると、トゥルッリ(Trulli = 複数形)と呼ばれます。

とんがり帽子のような屋根ががわいいアルベロベッロのトゥルッリ

とんがり帽子のような屋根ががわいいアルベロベッロのトゥルッリ

ちなみにトゥルッロ(Trullo) という言葉は、ギリシャ語で 「丸屋根、丸天井(ドーム)」 を意味する 「トゥーリゥス(Tholos)」 から生まれた言葉と言われていますが、アルベロベッロのトゥルッロは丸屋根というよりも、とんがり帽子のように円錐の形をしています。

そんなトゥルッロがたくさん集まっているエリアが、アルベロベッロ内にある「モンティ地区」と「アイア・ピッコラ地区」で、「The Trulli of Alberobello(アルベルベッロのトゥルッリ=アルベロベッロのトゥルッロ住居群)」として、1996年、世界遺産に登録されています。

3.アルベロベッロ・トゥルッリ最大の特徴は、すぐに解体できること

石を積み上げることで建てられているトゥルッリ

石を積み上げることで建てられているトゥルッリ

さて、その独特の住居建築から世界遺産にまで登録されたアルベルベッロのトゥルッロ住居群(トゥルッリ)ですが、何が独特なのかというと、ずばり「すぐに解体できること」です。

アルベロベッロ周辺でよく採取することができた「石灰岩」を整形し、丁寧に積み上げるだけで建てられているトゥルッリは、現在でいう「乾式工法」と呼ばれる建築方法が使われています。

アイラ・ピッコラ地区では、昔ながらのトゥルッリも見ることができる

昔ながらのトゥルッロを見ることができるアイラ・ピッコラ地区

モルタルなどの接着剤を一切使用していないため、解体しようと思えばすぐに解体できてしまうというのがトゥルッリの最大の特徴。またトゥルッリの建築が始まった14世紀半ばには白壁部分はなく、キャンプのテントのようなイメージで、円錐形の屋根だけが直接地面の上に積み上げられていたと言われています。

ちなみに現在アルベロベッロにあるトゥルッリのほとんどは、白壁部分はしっかりと接着されており、石が積み上げられているのは屋根の部分のみとなっています。

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