【旅の記憶vol.4】アクション、波、生まれる@アドリア海
暮らしながら旅を続けるフリーライターFukino(島袋芙貴乃)が、旅先で得た人生の再発見を綴るエッセイ。
アクション、波、生まれる
地中海の海域の一つ、アドリア海。
イタリアとバルカン半島の間にあり、深く濃い青が特徴で、比較的穏やかな潮の流れが特徴的な海。
もしも海に性別があるとしたなら、アドリア海はきっと、静かに優しく微笑む女神のような女性だと思う。
そんなアドリア海を、クロアチアのドブロブニクからイタリアのバーリへと向かうためにフェリーで縦断していた時のこと。
静かな海の上をフェリーが前進していくその後ろの方では、ゴウゴウと荒っぽい音を立てながら、新しい波が次々と生み出されていた。
何気なく捉えたその光景から、不思議なことになかなか目が離せない。
次から次へと生み出されていくその波と白い泡は、フレッシュで、勢いがあって、エネルギーを持て余しすぎて発散するために踊っているようにも見えた。
あんなに穏やかで女神みたいだったアドリア海が、元気な波たちのおかげで、陽気なラテンシンガーにでもなったみたいだ。
フェリー動く。波、生まれる。アドリア海、活気づく。
ということは。
アクション起こす。波、生まれる。自分の世界、ちょっと華やぐ。
当たり前すぎることだけど、目がパチッと一気に覚めるような、何ともどエライ発見をした気分だった。
自分の世界に新しい波を起こすためには、行動を起こす以外の方法はない。
なるほど、そういうことなんだ。
でもきっと、一度に大きな波を生み出す必要はない。
小さな波でも、変化を生み続けることのほうがよっぽど意味がある。
だってほら、じっとしているだけで何の変化も生まれない世界より、ちょっとずつでも変化を生み続ける世界の方が、何だかワクワクするじゃない。
小さな波でも、生み続けられる自分でありたい。
そんなことを思った、アドリア海縦断の旅。
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Date:2017/07/23
Place:アドリア海のどこか
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アドリア海がある場所
アドリア海はバルカン半島とイタリア半島の間にある海で、アドリア海沿岸にある国は、イタリア、スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、アルバニア。
※上の地図は、イタリアとクロアチアにある主要港がある場所と、クロアチアのドブロブニクからイタリアのバーリまでをフェリーで移動する際のルート。
アドリア海には、主に東クロアチア沿岸(ダルマチア地方)に位置する1,300以上の島々が浮かんでおり、夏場はリゾート目的地として多くの観光客で賑わう。アドリア海の潮の動きは緩やかなことで知られているものの、時には大きな流れが発生することもある。
地表水温は一般的に夏期の30度から冬季の12度の間を行き来しており、アドリア海流域エリアの気候を温和にする影響を与えている。
主にイタリアとクロアチアの沿岸部都市をフェリーで行き来できる
- イタリア側の港(北→南):トリエステ(Trieste),ヴェネツィア(Venice),リミニ(Rimini),アンコーナ(Ancona),ペスカーラ(Pescara),バーリ(Bari),ブリンディシ(Brindisi)
- クロアチア側の港(北→南):リエカ(Rijeka),シベニク(Šibenik),ザダル(Zadar),スプリット(Split),ドブロブニク(Dubrovnik)
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