世界の恋愛事情04:さぁ、今夜もLet’sワンナイトラブ in ロンドン
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ニコル、33歳
「今日は誰とやろう(寝よう)かな」
相手を取っ替え引っ替え、連日連夜セックスに励むことは、ニコルにとって個人的サークル活動のようなもの。運動をして汗をかく、お陰でスッキリ夜は熟睡、そんなところ。
ただし同じ相手との2度目はご法度(体の相性がよっぽど良ければ話は別)。理由は「相手が」ニコルに恋愛感情を抱くと面倒臭いから。文字通りだけれど、それがニコル流「ワンナイトラブ」のルールだ。
だから毎晩、ニコルは常に新しい相手を探す。日中は、出会い系(別名:ワンナイト·ラブ)アプリ『Tinder』を開き、その日の夜の相手を掘り出すサークル活動で忙しい。
しばらく「あり」「なし」をスワイプし続けた後、ニコルは今夜の相手を見つけた。
筋金入りのお金持ち
上海出身で、ロンドンに住んでもう3年目になるニコルは、暇を持て余している。家は「メガ」が付いても足りないほどに超ド級のお金持ちで、ニコルの両親はお金でその愛情を示すかのように、ニコルが一生遊んで暮らせるほどの額を送金し続けている。
だからニコルは、行きたいと思える場所にはどこでも行け、住みたいと思える家にはどこにでも住むことができた。外国に住む永住権も、自由に各国を行き来できる権利も、お気に入りの街の一等地で素敵な家に住むことも、すべてお金で買うこができた。
そんなお金の心配と無縁のニコルは「生活資金のやりくりのために」働く必要がない。過去、生きがいを求めて働いたこともあったけれど、性に合わないことを理由に3カ月足らずで辞めた。
5日間のつもりで訪れたロンドン
ニコルは一度だけ、地元上海で本気の恋愛をしたことがある。今のニコルからは考えられないけれど、その彼とは「結婚」まで約束し、実際に結婚に向かって両家の段取りも進んでいた。
元々旅行が好きだったニコルは、結婚直前に「最後の独身女ひとり旅行」と題して単身ロンドンへと渡った。そして5日間の滞在予定で足を踏み入れたロンドン旅行の初日から、上海へと帰ることのないままもう3年が過ぎようとしている。
愛するって、疲れる
それまでずっと一緒にいた彼と離れて一人でロンドンに来たニコルは、「生まれて初めての自由」を味わい、人生そのものが180度変わった。誰かに心を支配されることを嫌うようになり、誰かを想っていちいち感情が浮き沈むのは疲れると感じるようになった。
「相手のため」を思って何かをするのは面倒くさいし、さらに言うと、「相手のために何かをしたくなる自分」になるのが一番面倒くさいと感じた。
誰にも左右されず、自分の事だけを思って、自分の感情の赴くままに生きたいのに。ずっと、自由でいたいのに。誰かを想う愛が、それの邪魔をする。
「愛って、疲れる」
自由に生きると決めたニコルは結婚を破断にし、それ以降、誰かを愛することを一切止めた。
さぁ、今夜もLet’sワンナイトラブ
すっかり「愛アレルギー」になってしまったニコルだけれど、セックスを嫌いになることはなかった。愛は要らない、でも快楽は与えて欲しい。そんなニコルの欲求を満たしてくれる一夜限りの相手だけを求めて、今日もニコルは、ロンドンへの街へと繰り出していく。
「愛」を捨てて「自由」を選んだこと、ニコルは一ミリも後悔していない。
さてあなたは、ニコルのように「本当の自由」、楽しめる?
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