映画『これが私の人生設計 』で人生学/目標を持てば、人生が輝く!最高のイタリアンラブコメ!
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映画『これが私の人生設計 』で人生学
「目標を持てば、人生が輝く!」
見終えた後、清々しすぎる爽快感で胸がいっぱいになるイタリアンラブコメディー!まるでイタリア版ブリジット・ジョーンズを見ているような感覚だ。とにかく、大好き、この映画!
さて、一気に大好きになりすぎたからか、しばらく無性にそわそわして落ち着けなかったのだけれども。映画を通して印象に残ったことは「目標を持てば人生は輝く!」ということ。
主人公セレーナは、目標に向かってまっすぐ、がむしゃらに、前だけを見て走り続ける。傷ついても、落ち込んでも、目標に向かってまた立ち上がる。目標を持つことは、こんなにも人を輝かせ、魅力的にするものか。
「目標を持つことは大事」。分かりきっていたことかもしれないけれども、改めて今回、その偉大さに気づかせてもらった。ありがとう、セレーナ!
※以下、内容にネタバレを含みます
目標を持てば、人生が輝く!
そもそもだ。大人になると、目標に向かって走り続けられること自体が幸せなことなのかもしれない。
日々の忙しかにかまけて、私たち大人は目標を胸に抱くことさえ忘れてしまってはいないだろうか。ふと今までの自分を振り返ってみる。恥ずかしいことに主人公セレーナのように「それに向かって突っ走る!」という程の情熱を注げる目標を抱いた記憶は、ここ数年久しくない。
そう思うと、小さな頃から建築に夢中で、建築への“想い”が枯れることのないセレーナは本当に魅力的だ。なんていうか、お金がなくたって、敵が多くたって、「建築で人を幸せにする」という目標があることで、生きる力に溢れている。ある意味、誰にも侵されることのない聖域を持っているとも言えるかもしれない。
「これだけは誰になんと言われようと好き!」
そう、セレーナの建築に対する姿勢からはそんなポジティブな印象を受ける。ここはあえて「これだけは誰にも負けない!」という表現ではなく「好き」という言葉にこだわりたいと思う。勝ち負けなんて、どうでもいい。
好きだから夢中で調べる。
好きだからもっと高い所へ登りたくなる。
好きだからその良さを人に伝えたくなる。
好きだから、同じようにそれを好きな人と思いを分かち合いたくなる。
そして好きだから、何があっても頑張れる。
「好き」の持つパワーは偉大だ。人を動かす原動力となり、人を魅了するエネルギーとなる。そしてそんな「好き」を活かせる目標を設定して追い続けることは、本当に幸せなことなのだと思う。
これは、実在する女性建築家の物語でも!
そしてこの映画『これが私の人生設計』をより魅力的にしているのが、セレーナには実在するモデルがいるということ。グエンダリーナ・サリメイという女性建築家で、ローマ郊外にある公営住宅コルヴィアーレのリフォーム案で採用された「緑の空間」を考案した人物だそうだ。
セレーナが実在していたなんて!(もちろん、この映画の展開自体はフィクションな部分がほとんどなんだけど)そんな素敵な女性がいることを知るだけで、不思議とパワーをもらえる。彼女の持つ「好き」という気持ちが、海を越えて伝染し、ハートにドバドバーっとパワーを注いでくれている感覚だ。
目標をしっかり現実のものへと変えた女性がいる。映画を通してだけれども、そんな女性と出会えたことが嬉しい。
補足1:イタリア女性のセックス・シンボル、ラウル・ボヴァが超セクシー
セレーナもメロメロになったゲイ・フランチェスコ役のラウル・ボヴァが、もう鼻血級にかっこよくてセクシーだったことも、間違いなくこの映画を楽しめた理由の一つだ。
イタリア女性のセックス・シンボルと呼ばれているだけあって、これは明らかに女性鑑賞者へのサービスだろうと思えるセクシーシーンも盛りだくさん。そしてそれが漏れなくセクシーでかっこいい。むしろゲイで良かった…。そう思わせるほどの美しさだ。
ちなみにそんなラウル・ボヴァは、最近みた『ローマ発、しあわせ行き』にも出ている。この映画でも、確かにかっこ良かった…。セクシーなイタリアンめー!
そして愉快なゲイ仲間たち
そしてそんなフランチェスコを取り囲むゲイ仲間たちの会話も愉快で笑える。彼らの欲望に正直で探究心旺盛な姿はある意味ピュアで、「こんな風に感情を素直に出したいな」と見るものを(少なくとも私を)幸せにする。
補足2:幸せな家庭はみんな似ている、でも不幸な家庭はさまざまだ
これは映画の中での印象的なセリフ。フランチェスコの彼氏ニコラが、セレーナの家族やフランチェスコの息子と一緒に食卓を囲んでいる時につぶやいた言葉だ。
「不幸な家庭はさまざま」
これは彼がマイノリティであるゲイだからこそ、言葉に重みがあるように感じた。映画のクライマックスでは、ハゲていることを隠していた人、ゲイであることを隠していた人、妊娠していることを隠していた人…それぞれが自らが抱えていた秘密を「もうこんなんどうでもいいわー!」と暴露するシーンがある。
それは不幸なことだと勝手に決めつけていた自分を解放する瞬間で、ここでも幸せの波が訪れる。
そう、人それぞれが不幸(だと思う)理由はさまざまなのだ。男だから、女だから、太っているから、○○だから。みんな何かしら抱えて生きていているかもしれないけれど。それは自分が思っているほどそれは不幸なことではない。
イタリア社会は想像以上に男性優位な社会で、差別的な意見を持っている人も多いっていうのは予想外で驚いたけれど、「そんなの時代遅れだ!」というある意味でメッセージのようなものも感じた映画だった。
イタリア流、やかましくも愛おしく、元気がもらえるラブコメムービー!
偏見ではなく愛しさを込めて言うが、まず第一にイタリア人はおしゃべりでやかましい。そしてイタリア語が持つ音は何かと激しくて忙しい。でも周りなんて気にせずに、真っ直ぐに、そして意外とシンプルに、自分の素直な気持ちに従い続ける彼らの姿は本当に愛おしく、この映画を愛さずにはいられない。
そして何と言ってこの物語の最大の魅力は、真っ直ぐ目標に向かって走り続けるセレーナだ。目標は人を美しくする。人生を豊かにする。そして周りの人も笑顔にすることができるかもしれない。
小さなことでも良いから、目標を掲げ続けよう。そうすれば、悲しい日だって乗り越えられる。目標が、落ち込んだ自分も引っ張ってくれる。
目標を持つこと。それは人生を輝かせる、とっても素晴らしいこと!
【予告映像とあらすじ】
勝ち組から一転。仕事も恋もうまくいかないんですが問題発生中!?
建築家として世界各国で華々しいキャリアを積んできたセレーナは、ふと自分を見つめ直し「新たなステップ」を踏み出そうと故郷のローマに帰ってきた。しかし、イタリアの建築業界は男性中心の社会で、ろくな仕事にも就けず貯金も底をつく。
しかたなくレストランでウエイトレスとして働き出すと、超イケメンのオーナー、フランチェスコが何かと優しくて、ついつい彼に恋してしまう。しかし、クラブで男たちに囲まれて超絶に踊り狂うフランチェスコを見て“ゲイ”だと気付き、あえなく失恋。結局、2人は恋愛ではなく友情で結ばれるのだった。
そんな時、公営住宅のリフォーム建築案の公募を知ったセレーナは、男性のフリをして応募し、自分はアシスタントだと偽って面接に臨む。すると企画が採用されてしまい、困ったセレーナはゲイ友のフランチェスコに身代わりを頼むが…。
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