イタリア・アルベロベッロ観光で外せないスポット10選:約4時間コース
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観光スポット7.リオーネ・モンティ地区(Rione Monti/Trullis Zone)
さぁ、ユニークな造りのトゥルッロ・シアメーゼを堪能した後は、アルベロベッロ最大の観光エリア、モンティ地区の散策を楽しみましょう!(トゥルッロ・シアメーゼもモンティ地区の中にあります)。
モンティ地区は、アイア・ピッコラ地区とともに世界遺産に登録されているもう一つの地区。そしてまさにこの時、観光スポット4「サンタ・ルチアの見晴らし台」から見た景色の中にいます。
モンティ地区にあるトゥルッリは1,000以上
モンティ地区には約1,000のトゥルッリが建てられており、現在はそのほとんどがレストランやバー、お土産ショップ、宿泊施設へと姿を変えています。どこを歩いても絵になるところばかりなので、至るところでフォトジェニックな写真撮影を楽しむことができます。
テラスを開放しているショップやレストランも
立ち並ぶトゥルッリの中には、テラスを無料で開放している所やテラスでの食事を売りにしているレストランも。 チャンスがあれば、テラスに登ってみることを激しくおすすめします。
というのも、テラスから見るトゥルッリの景色もまた魅力的! 屋根をかなり近距離で見ることができ、その意外な大きさにはちょっと圧倒されてしまうほど。ぜひその目で確かめてみてください。
モンティ地区はお土産探しやランチ休憩にも便利
モンティ地区にはお土産ショッピやレストラン、カフェなどが豊富にあります。アルベロベッロ最大の観光地だけあって、客引きももちろんありますが、気に入ったお店やレストランを見つけたら、ぜひ店内へ入ってショッピングや食事を楽しんでくださいね。
観光スポット8.サンタ・アントニオ教会(Chiesa Sant’Antonio di Padova)
モンティ地区の丘の上に立っているこの教会は「サンタ・アントニオ(聖アントニオ)教会」です。アルベロベッロにある教会らしく、トゥルッリの屋根を持っていることが特徴的で、アルベロベッロで唯一のデザインとも言われています。
内部の見どころはフレスコ画
14カ月の歳月をかけて建てられたサンタ・アントニオ教会は、1927年、正式に教会として使用され始めました。プーリア・ロマネスク様式でデザインされた教会建物の内部はいたってシンプルで、目立った装飾といえば祭壇の壁を覆っている写真のフレスコ画くらいです。
このフレスコ画は「Tree of Life(生命の木)」と呼ばれる、エデンの園(※)の中央に植えられた木が描かれており、アドルフォ・ロロ(Adolfo Rollo)というイタリア・バーリ出身の芸術家によって描かれた作品です。
※エデンの園とは、旧約聖書の『創世記』に登場する理想郷の名前。別名・地上の楽園、パラダイスとも言われています。
クーポラの高さは約20メートル
教会内に光が入るようにと4つの窓が取り付けられているクーポラも、シンプル極まりないデザイン。ちなみにこの塔の高さは約20メートルです。
観光スポット9.サンティ・メディチ・コズマ・エ・ダミアーノ聖堂(Basilica dei Santi Medici Cosma e Damiano)
さぁ、アルベロベッロ最大の観光地区モンティの散策を楽しんだら、もう一度最初のポポロ広場まで戻り、アルベロベッロの守護聖人に捧げられたアルベロベッロ最大の聖堂を目指しましょう。
それは「サンティ・メディチ教会」と呼ばれることも多い、「サンティ・メディチ・コズマ・エ・ダミアーノ聖堂」。コズマとダミアーノという、アルベロベッロの守護聖人である2人の兄弟に捧げられている教会です。
コズマとダミアーノって誰?
さぁ、ここでも頭に浮かぶのは「この2人は一体誰?」という文字だと思います。ダミアーノとコズマは兄弟で(双子説もありますが、コズマが兄でダミアーノが弟という説が最も有効と言われています)、「奇跡を起こす医者」として活躍していたと言われる人物です。
数多くの奇跡を起こし、多くの人々を救ってきたことから、コズマとダミアーノは「医学の守護聖人」としても認められています。伝説によると、この2人が手をかざすだけでどんな重病も治すことができたとか(!)。
ちなみに「メディチ(Medici)」はイタリア語で医者という意味。この教会を日本語で直訳すると「医者コズマ&ダミアーノの教会」という意味になります。
教会左右の鐘楼はコズマとダミアーノを表している
そしてこの教会の最大の特徴は、左右対象に造られた2つの鐘楼。これはコズマとダミアーノの兄弟をイメージしていると言われています。また教会内には、18世紀に造られたコズマとダミアーノの像も飾られています。
加えて、コズマとダミアーノにまつわる教会は、ここアルベロベッロのみならず、イタリア全土に多く分布しています。
観光スポット10.トゥルッロ・ソヴラーノ(Trullo Sovrano)
アルベロベッロ観光・最後の必見スポットは、12のトゥルッリで造られた、アルベロベッロ最大のトゥルッロ「トゥルッロ・ソヴラーノ」という建物です。
イタリア語で「ソヴラーノ(Sovrano)」は、国王、元首、君主という意味。その名の通り、この家はかつて権威ある人々の住居として使用されてきた他、キリスト教にまつわる貴重な品々を保管する場所、礼拝堂やキリスト教徒の会合を行う場所などとして使われてきています。
建築以来、様々な用途で使われてきたトゥルッロ・ソヴラーノ
例をあげると、1785年には、先に紹介したコズマとダミアーノの遺物を保管する場所として使用され、1823年〜1837年の間は、観光スポット3で紹介したサンタ・ルチア教会とともに、キリスト教徒の会合を行う場所として使用されています。
1861年にイタリアのお金持ち・スメラーノ家によって買収されて以降、現在もこのトゥルッロはスメラーノ家の所有物となっています。
アルベロベッロで唯一、2階建てのトゥルッロ
このトゥルッロの最大の特徴で見どころでもあるのは「アルベロベッロで唯一の2階建てのトゥルッロがある」ということ。トゥルッロはモルタルなどの接着剤を使用しないで建てるので、2階のフロアを造るにはかなり優れた建築技術が必要だと言われています。
至極困難だと言われている2階建てトゥルッロの建築に成功しているのが、この「トゥルッロ・ソヴラーノ」。この優れた建築様式から、1930年には国の重要文化財として指定されています。
見学時間が決められているので要注意
トゥルッロ・ソヴラーノの内部は見学可能で、かつてのトゥルッロでの生活を垣間見ることができますが、訪れる際に注意してほしいのは、見学時間が決められていることです。
南イタリアではよくあることですが、どんなに人気の観光地だろうと、世界遺産だろうと、お昼時には閉館しています(2017年7月時点)。
今回紹介しているコースでは、一番最後の見学スポットとして紹介していますが(15時半の入場をイメージ)、時間が合わないという場合には、ポポロ広場 → カーサ・ダモーレ → トゥルッロ・ソヴラーノの順番で回るなど、適宜アレンジすることをおすすめします。
また入場料金は、大人1人1.5ユーロ(約200)、12歳以下の子どもは1ユーロ(約130円)となっています(2017年7月時点)。
メルヘンだけじゃないアルベロベッロ観光♪
さて、相変わらずの長文でアルベロベッロの観光必見スポットについて紹介しました。私自身がそうなのですが、その建物の裏側にある背景や歴史を一度調べ始めると、1つの場所に1〜2時間はあっという間に割いてしまうことも(!)。
実際、観光スポット6で紹介したトゥルッロ・シアメーゼでは、店内激混みにも関わらず、レジで働くお姉さんにもう1つの玄関はどこなのかだとか、なんでわざわざ兄弟で1人の女を好きになったのか、など、夢中で質問攻め(レジのお姉さんは、忙しいにも関わらず色々話してくれた、とってもいい人でした。そしてもちろん、お客さんのお会計を優先してもらいました)。
この記事を読んでくださった皆さんはそんなことにならないように、うまく観光時間を計算して、それぞれのスポットを楽しんでくださいね。この記事が少しでも、誰かのアルベロベッロ観光を充実させるものとなりますようにという願いを込めて、終わりにしたいと思います。
メルヘンな世界だけじゃないアルベロベッロ。訪れる際には、ぜひその特別な世界を楽しんできてください!
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