ロンドンでカットモデルになる・海外生活を始めて4カ月ぶりにヘアカット
海外生活を始めて4カ月。私の髪の毛はどうしようもないくらいにボロボロになっていた。
ここ4年くらはショート〜ミディアムがすっかり定着していたけれど、「多い」、「太い」、「硬い」という針金級に強靭な髪質を持つ私がその長さを保つには月に1回、最低でも2カ月に一度はヘアサロンでお手入れしてもらうのが必須。
でもヘアサロン事情を知らない海外でそんな頻繁に髪を切りに行くのは難しいだろうし、毎回日本人の髪質に慣れていない美容師さんに任せるのも勇気がいるな……と思っていたので、一番簡単な「髪を切らない」という選択をとることにして海外生活を開始。
そんなわけで私の髪の毛は、東京のヘアサロンで最後にお手入れをしてもらった2017年1月以来伸びに伸び続け、ヨーロッパの硬水の影響とまめにヘアケアをしないという雑な性格から4カ月足らずで見事にバサバサのボサボサなモンスターへと化していた。
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「髪の毛切るお金ないの?」
海外生活が3カ月過ぎた頃あたりから、さすがに自分でも「ちょっと髪の毛ひどいなぁ……」と思い始めてはいたものの、「美容室選びで失敗するよりかはこのままでいい、このままがいい」と自分に言い聞かせ、醜い自分の姿を片目をつぶって見る毎日。
そんな私に「髪の毛を切ろう」という決心を抱かせたのは、母・きよみちゃんからのこのひと言。
「芙貴乃、髪の毛切るお金ないの?」
母・きよみちゃんにとっては妹にあたり、私にとっての叔母ちゃんが今年定年退職したということで、記念旅行として最近まで姉妹でロンドンを訪れていた私の母・きよみちゃん。
初日に迎えに行ったヒースロー空港で、私を見るなり開口一番に放った言葉がこれだった。
再会した時の様子はこんな感じ
空港の到着ゲートから出てきて私を見つける。
「あぁぁ〜〜!芙貴乃〜〜〜!ついにお母さんたちロンドン来たよ〜〜〜!」
ここで数秒ハグ。
ハグ終了。
間髪入れずに、
「あんた髪切るお金ないの?」
日頃から頻繁に連絡を取っているとはいえ、はるか彼方から飛行機で片道十数時間もかかる国にやってきたのだ。その体感的な長さから「ものすごく遠くまで来た」という気持ちが湧き、もう少し再会の喜びに浸るものかと思っていた。
でも私の母を知っている人なら誰でも頷くと思うけれど、きよみちゃんはどこにいようがきよみちゃんなのだ。いつでも思ったことをストレートに口にする。
というか、もしかしたら母親っていうのがそんなものなのかもしれない。初めての異国に降り立とうが、関心の対象は常に娘にある。
「海外で暮らしている娘が窮困していて、自らの酷い容姿を認識しつつもお金がないから髪を切れないのでは……」
そんな娘の身を案じる母性ゆえの発言だったのかもしれない。そう思うと、何かじーんとするじゃない。
ということで、ようやく髪の毛を切ることに
そんなきよみちゃんの母性あふれるひと言で、今まで目をつぶってきた自らの外見のひどさを再認識し、ようやく髪の毛を切ることを決意。
少し前から私自身も切りたいなぁとうずうずはしていたので、いいきっかけに。
とはいえ、日本人の髪を扱い慣れていない外国人に切ってもらう勇気はまだない。
日本人のカットモデルという手があるじゃない
そんな時に思いついたのが「カットモデル」という手段。
東京に住んでいた頃は、カットモデルは「可愛いくて若い子」というのが暗黙のルールだと勝手に理解していたけれど、海外でならば「日本人」というだけでいけるのではなかろうか。
そもそもの母数が少ないがゆえに、需要と供給のバランスがそこそこ成り立っているはず。カットモデルになるハードルもきっとかなり下がっているはずだ。
そして幸いなことに私が今滞在しているのは日本人に人気な街ロンドン。きっとワーキングホリデーで来ている日本人の美容師さんも多いに違いない。
ロンドン在住日本人のコミュニケーションサイトでカットモデルの募集を発見
ということで早速偉大なるGoogle先生に「ロンドン カットモデル」での検索をリクエスト。すると「ミックスビークラシファイド」というロンドン在住の日本人がコミュニケーションをとる掲示板サイトが検索結果の上位に出現。
数は少なかったものの、そのサイト内に「カットモデル募集」という投稿を2〜3見つけ、その内の一人の方とコンタクトをとり、日程の調整やヘアカットの希望条件に関する簡単なやりとりを経てあれよあれよとカットする日が決定した。
髪の毛を切ると決めてから美容師さんを見つけるまで、ものの10分。そして1日1通程度のメールのやりとりをしてカットする日時が決まるまで約2日。何ともイージーだった。さすが世界的な大都市ロンドン。日本人、超いっぱいいる!
日本と同じような環境で、日本と同じようなサービスを受け、リクエスト通りに髪をカットしていただきました。タダで……
そして迎えた当日。美容室に足を踏み入れると、まるで日本にワープしたかのような感覚に。
そこは従業員全員が日本人のヘアサロンで、本棚には日本の雑誌が並び(しかも最新号なものもあった!)、「今日はどんなカットをご希望ですか?」という耳馴染みのいい言葉まで。
そしてモデル募集中のスタイリストさんとはいえ、日本での経験があるお方。もう私はすっかり安心しきってお任せできた。
「傷んでいる所は切って、限界まで軽くしてください」
という私のリクエスト通り、どうしようもなく傷んでいるという毛先部分を3〜4センチ切り落とし、全体を限界の限界まで髪を空いてくれた。
サヨナラした髪の毛たちがこちら。
そして今回のヘアカット代は驚きのゼロ円。
カットモデル募集の説明では「モデルが希望するヘアカットをする場合は£10」と書かれていたのに、なんとそのスタイリストさんは無料で良いと仰った。
ハサミを持つ腕が腱鞘炎になるんじゃないかと心配になるくらい空いてもらったのに……。日本人にカットしてもらえるだけでありがたい上、£10(1,500円位)でも安すぎる価格設定なのに……。
カットモデルって、すごい。
申し訳なさを感じながらも、お手入れをしていただいた頭はもう大すっきり!
これでまたしばらくは髪の毛のボサボサに悩まずに過ごすことができそうでとっても嬉しい。頭だけじゃなく、心まで軽やか。
ロンドンで日本人に髪の毛を切ってもらいたいけどどこに行けばいいか分からないという場合には、カットモデルという手段を検討するのもぜひおすすめ。
そしてカットモデルじゃないけれど、日本人美容師さんがいる美容室情報も、先の「ミックスビークラシファイド」サイトにはたくさん載っていました。ここで探すと、きっと近道に。
素敵な美容師さん、ありがとうございました
今回私のしょうもなく傷んでボサボサの髪の毛をお手入れしてくださったのは、東京出身、未来の夢にあふれる若手スタイリストさんでした。本当に、ありがとうございました。
P.S. 髪を切ってすぐ、母・きよみちゃんへも無事に切り終えたことを報告をしました。
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