Italy

ローマ観光でサイクリングのすすめ・アッピア街道1日コース

「ローマの有名観光地」と言われて多くの人が思い浮かべるのはきっと「トレヴィの泉」、「スペイン広場」、「コロッセオ」などなど。

もちろんこれらの観光地もとっても素敵なのだけど、今回ぜひともおすすめしたいのが「アッピア旧街道のサイクリング」。ローマの中心地からちょっと抜け出すだけで、そこにはまた全然違う新たなローマの魅力が広がっている。

アッピア旧街道(Via Appia Antica)とは?

超ざっくりルート

古代ローマ時代、イタリアの主要都市を結ぶように作られたローマ街道の1つで、アッピア旧街道はローマと南イタリアの都市「Brindisi(ブリンディジ)」を結ぶ道。

世界各地からの道がローマに通じていたことから生まれた「全ての道はローマに通ず」というあまりに有名なセリフは誰もが一度は耳にしたことがあるはずだけど、このアッピア旧街道ももれなくその道の一つ。

ローマ街道の中でも最も有名かつ重要な役割を果たしてきた街道ともいえ、その偉大さから「The Queen of the Long Roads(街道の女王)」という呼び名もあるほど。敷設された当時は主に軍事用品を運んだり軍隊の移動などの目的で使用されていたそう。

気になるその距離はなんと約560kmで、日本でいうと東京から大阪くらいまでの距離!

1784年、アッピア旧街道に沿うようにして新たなアッピア街道(Via Appia Nuova)が敷設されたので、大元の道は「旧街道」として呼ばれている。

最大の魅力は、約2,300年以上も前の道を今でも歩くことができること!

敷設当時の石がそのまま残っている

アッピア旧街道の最大の魅力は、約2,300年以上も前の道を今でも歩くことができること! アッピア旧街道の敷設が始まったのは紀元前312年、南のブリンディジまで通じたのが紀元前190年頃で、現代から遡ること約2,200〜2,300年。

古代ローマ時代の人たちと同じ道を歩くことができるなんて、何ともロマンチック(だと思いませんか?:))。

もちろん、当時の道は大きな石で埋められているので足元はかなり不安定。歩くのはもちろん、車や自転車で走行するのも一苦労だけど、それもまたオツ。せっかくならば、この不安定な道のりさえもとことん味わいながら進みたい。

いざ、サイクリングへ!

実際に私が走行したサイクリングコース

今回のサイクリングで私と友人が決めた目的は2つ。

  • カタコンベ(The Catacombs of Callixtus)へ行くこと
  • アックエドッティ公園/ローマ水道橋公園(Parco degli Acquedotti)で水道橋を見ること

この2つ以外はその時に気分に任せて気ままにサイクリング。朝11時前にレンタル屋さんを出発し、閉店ギリギリの19時までおよそ8時間フルに移動した全サイクリングコースの主要ポイントを1つずつご紹介。

START: まずは自転車を調達

ローマの街中から出発するならCavour店での自転車レンタルがおすすめ(写真は返却後に撮影したため夜の様子)

まずは肝心な自転車の調達から。おすすめは「BICI &BACI」。ローマには3店舗あるのだけど、アッピア旧街道へ向かうならばCavour店でのレンタルがおすすめ。気になる自転車のレンタル料金は1日プランで12.5ユーロ(1,500円位)。

オフィシャルサイトには日本語ページも準備されていて、事前予約も可能。ちなみに私は予約なしで当日の朝レンタルに行ったけど全然大丈夫だった。
▶︎BICI&BACIのオフィサルサイト

無事自転車をゲットした後はいざローマの道へ。カブール通り(via Cavour)からコロッセオを通り過ぎ、カラカラ浴場を超えて進んでいくと、最初に目にするのがこちら。

Point1:サン・セバスティアーノ門

手前に見えるのは古い城壁。奥の方に見えるのがサン・セバスティアーノ門

カラカラ浴場を過ぎてしばらくすると、道の両サイドがグリーンで囲まれた気持ちのいいエリアに入る。その道をしばらく進むと見えてくるのが「サン・セバスティアーノ門(Porta San Sebastiano)」。

アッピア街道からローマ市内へと通過する人を観察するために建てられた門で、アウレリアヌス城壁(古代ローマ時代に建てられた城壁)の門のひとつ。その中でも最大規模かつ最も良い状態で保存されている門がこのサン・セバスティアーノ。

門は無料の美術館になっているので、内部を見学するのもおすすめ

門の内部の様子

門からはプライベートガーデンも見える。そしてこの門、長い。

正直、美術館の中に展示されているものにはそこまで興味を抱かなかったのだけど、門の中を歩いているみるのはおすすめ!

状態が良いと言われているだけあって、城壁内での当時の人々の様子を想像し、思いを馳せるにはうってつけ。壁には小さな穴がいくつも開いていて、アッピア旧街道を行き交う人たちをこっそり観察したりもできる。

サン・セバスティアーノ門の屋上

屋上から見たアッピア旧街道

そして屋上に上ってアッピア旧街道の景色を眺めるのもまた気持ちが良い。これからこの道を駆け抜けるぞとワクワクしてくる。

Point2:マクセンティウスの競技場でランチ

こんな道を通り抜けていく

公園に到着。だだっ広い緑の敷地に身を置くのも気持ちが良い

お腹が空いてきた頃の休憩を取る場所としておすすめなのは「マクセンティウスの競技場」。無料で入場できる上、芝生がきれいな広場で持参したランチをのんびり食べることができる。

私たちは事前にサンドイッチやフルーツ、飲み物をバッグに詰め込んでいたので、ここで腹ごしらえ。特に太陽の日差しが暖かい日は軽いピクニック気分でご飯も美味しい!

ちなみに「マクセンティウスの競技場」は、ローマの観光地として有名な「チルコ・マッシモ」に次いで2番目に大きい競技場。敷地内にはかつての競技場の跡地もあるので、ランチ後の散歩がてら歩いて見てまわるのもおすすめ。

道沿いにはたくさんのカフェやレストラン有り。ランチ持参なしでも大丈夫

レンタルバイクも兼ねているカフェ

ガーデンテラスでの食事を楽しむことができそうなレストラン

アッピア旧街道の道沿いには、たくさんのお洒落なカフェやレストランが立ち並んでいる。中にはディナーで有名な場所も。ランチを持参しなくても食べる場所には困らないので、事前に準備しなくても大丈夫! 気になったお店にふらりと立ち寄るのもぜひ楽しんで。

Point3:時間が許す限りアッピア旧街道を進んでいく

アッピア旧街道を示す看板

腹ごしらえを済ませたら、時間が許す限りアッピア旧街道をぐんぐん進む。私たちはカタコンベ(サン・カッリスト)の見学時間までに戻ってこれるように計算をし、進めるところまで進むことに。

サン・カッリストのカタコンベが見学時間は9:00-12:00、14:00-17:00と決まっているので、効率良くサイクリングを楽しみたいならば午前中に訪れるのがおすすめ。(私たちは午前中のんびり過ごしてしまったのでカタコンベの前を通過した13時頃には見学できず、16時の見学ツアーに合わせて戻ることにした)

ただ走っているだけでも楽しい。発見が連続のアッピア旧街道

古代ローマの遺跡(主に誰かのお墓)が並ぶ風景も楽しんで

古代ローマの道を走る際は、お尻への強い刺激に注意

アッピア旧街道のサイクリングの魅力の1つは、走っているだけで景色がどんどん変わっていくこと。道沿いには古代ローマ遺跡の数々が立ち並び、それらを眺めるだけでも楽しい。これらの遺跡のほんとんどが誰かのお墓。このお墓は誰のかな〜なんて覗いてみる楽しみも。

そして時々出現する難関が「古代ローマ時代のオリジナルロード」。ロードバイクならまだしも、普通の自転車で走行するのは本当に困難で、調子に乗って走行し続けると翌日お尻が悲鳴をあげる。古代ローマ時代の道の脇には平坦な道が準備されているので、その道も上手に利用したい。

こんな最悪な道なのだけれど、それでも、「2,300年くらい前にはこの道を古代ローマの人たちも歩いていたんだ」と想像すると胸がキュンとする。

Point4:サン・カッリストのカタコンベ見学ツアーへ(The Catacombs of Callixtus)

アッピア旧街道には2つの大きなカタコンベがある

アッピア旧街道のサイクリングをしばらく堪能したあとは、今回のサイクリングの目的の1つであるサン・カッリストのカタコンベ(地下墓地)へと向かう。

カタコンベとは?

カタコンベは、地下に設置された共同墓地のことで、特にイタリアやフランスに多く見られるものだそう。ガイドさんによるとローマ市周辺には約50のカタコンベがあるとのことで、このアッピア旧街道沿いにはその中でも大きなカタコンベが2つある。

その1つは「サン・カッリスト(The Catacombs of St.Callixtus)」。もう1つが「サン・セバスティアーノ(The Catacombs of San Sebastiano)」。今回見学で訪れたのは前者のサン・カッリスト。後者のサン・セバスティアーノよりも大きく、ローマ市周辺にあるカタコンベの中でも最も重要なものの1つだとか。

期待以上に興味深かったサン・カッリストのカタコンベ見学ツアー

サン・カッリスト敷地内にあるガーデン

結論として、このサン・カッリストのカタコンベ見学ツアーはとても興味深かった! 受付で見学料8ユーロ(960円位)を支払って入場した後は、見学ツアーの開始を待つ。見学ツアーの開始時間は決まっているので、入場料を支払う際に確認を。

見学ツアーはイタリア語、英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語のグループから好きな言語を選択できる。

日本語での見学ツアーはないのだけれど、受け付けでオーディオガイドをレンタルすることができたはず(要確認)。私たちは英語のツアーに参加した。

全長約20キロ、10万人以上が埋葬されている巨大な地下墓地

カタコンベ内の撮影は禁止されているので内部を紹介できず残念なのだけど、サン・カッリストのカタコンベの見学は本当におすすめ。中には「雰囲気がダメ」という人もいるようだけれど、遊園地の幽霊屋敷なんてもってのほかの私でも興味深い内容だった。

まず一番最初に「おっ」とテンションが上がった瞬間は、ローマにあるにも関わらずこのカタコンベは「小さなバチカン」と言われていること。見学ツアーのイントロダクションを聞いている際、「 Welcome to the little Vatican city」と言われた時には少し心が弾んだ。

そしてサン・カッリストのカタコンベは何と言ってもその規模の大きさにも注目してほしい。地下4階、深さ20メートル以上、全長は20キロメートル以上の大きさで、内部には約10万人が埋葬されている。これらの数字を聞いただけで、サン・カッリストのカタコンベがどれたけ巨大なのものか想像できるはず。

地下の通路はとても細く迷路のようで、各階には当時の有力者だった家族の部屋、ローマ法王の部屋などが設けられている。そしてこのサン・カッリストのカタコンベが重要とされている理由の1つが、16人ものローマ法王が祀られていること。地下ではローマ法王が祀られている部屋を見学もできるけれど、ほぼ空洞のような状態なので、想像力が必要。

そして見学ツアーの最中には、カタコンベが地下1階から作られ、地下2階、3階と拡張していったこと、その技術の素晴らしさや当時の人々の生活の様子などの話も聞ける。見学できる部分は全長20キロのうちほんのわずかで、ツアーの所用時間は30〜40分ほど。

地下には太陽の日差しがほとんど入ってこないので冷んやりとしていて寒く、夏でも羽織るものを持っていた方が安心。私が訪れた際には外の気温が25度位まであった初夏の天気だったけれども、カタコンベ内ではパーカーを羽織っても寒かった。

カタコンベの見学では、今まで知らなかったローマの新しい歴史の一面に触れることができて本当に興味深かった。とってもおすすめ!

※余談※
この記事を書いている最中、私がカタコンベについて調べていると、イタリア人の友人から「最強に怖かったカタコンベがある」という情報を入手。彼女によると、「今までの人生で一番怖さを感じた経験」とのこと。

そのカタコンベはイタリアのパレルモにある「カプチン・フランシスコ修道会(Capuchin Catacombs of Palermo)」。世界で最も美しいとされる少女のミイラが有名とのことで、それはまるで今でも生きているみたいなのだとか。ローマにあるカタコンベとは全く異なる様式だそうで、ここも世界的に人気の観光地とのこと。

Point5:最後の目的地アックエドッティ公園(Parco degli Acquedotti)へ

後半サイクリングの登り坂はちょっとしんどい

マクセンティウスの競技場のそばにあるチェチーラ・メテッラの墓

サン・カッリストのカタコンベ見学ツアーを満喫した後は、この日最後の目的地「アックエドッティ公園(Parco degli Acquedotti)」へ。別名ローマ水道橋公園とも呼ばれる公園で、ここでも古代ローマ時代に造られた遺跡である水道橋を見ることができる。

サン・カッリストのカタコンベからは少々遠く、自転車で1時間強ほど。交通量の多い道も通過するので、道中は前半のようにのんびりサイクリングを楽しむというより、目的地に向かってひたすら自転車を走らせるイメージだ。

ここでも、圧巻の古代ローマ遺跡を見ることができる

到着した頃には日が落ち始めていた

それでも苦労して到着した先には、また見事な古代ローマ遺跡の風景が広がっている。そしてこの公園は地元の利用者が多いようで、少年たちがグラウンドでサッカーの練習をしていたり仕事を終えた人たちがマラソンをしていたり、犬の散歩をする人たちで賑わっていた。

そして園内から見えるのは、古代ローマの水道橋!

夕日を背後にそびえ立つ水道橋

特に狙ってはいなかったのだけれど、私たちが到着した時は丁度サンセットタイム。この日のローマは快晴で空もクリア。だから夕日も最高に美しい! 水道橋の背後にゆっくりと沈んでいく太陽を眺める贅沢な時間を過ごす。

とはいえゆっくりしていられるのは束の間。太陽が沈むと一気に暗くなり、ローマ市内に戻る道中が少し危なくなるので、すぐにまた街中に向かって自転車を走らせる。

夕日を横目にしながらのサイクリングも最高に気持ちがいい

水道橋の穴に太陽がちょうどはまった瞬間

オレンジ色の空のせいか、やけに神々しく見える水道橋

サヨナラ夕日、また明日:)

急げ急げと自転車を漕ぎながらも、首を横に向けるたびに息を呑む景色が目に入ってくる。マジックアワーの暖かい空気に包まれた公園内のサイクリングは最高で、風の心地よさ、優しくて力強いオレンジ色、芝生の匂いを鮮明に覚えている。経験したすべての人にとって、きっと最高の思い出となるはず。

1日のトータル走行距離約28km、サイクル時間は約8時間

アックエドッティ公園から自転車を走らせること約1時間強、私たちは8時間ものサイクリングを終えて無事に出発地点の自転車レンタルショップBICI&BACI Cavour店に帰着。1日を通して走った距離は約28km。それでも、終えた後には「こんなものか」程度の疲れ。それだけとても充実した1日に。

晴れた日にはローマの街中を抜け出して、アッピア旧街道へ出かけよう!

新たなローマの魅力を発見する1日に

ローマの魅力は本当に尽きない。街中の偉大な建築物を求めて歩くのも楽しいけれど、晴れた日にはちょっと街から外れた場所に足を伸ばしてみるのもおすすめ。訪れた先には、ローマの新しい魅力であふれた世界がきっとあなたを待っています!

【おまけ】
BICI&BACI cavour店を利用する場合、サイクリングで空かせたお腹を満たすためのお店として、BICI&BACIのすぐ先にある中華料理屋さん「Citta in Fiore」はおすすめ。地元の人にも人気で、料理も美味しく価格もリーズナブル。サイクリングで疲れた後のガッツリ中華も、ぜひ楽しんでください♪

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