ホストが持参したケーキ

Airbnbでトラブル発生、さぁどう対応する?③ホストとの話し合い・前編

ドアを開けると、予想外のホストの母登場

私「ハロー(棒読み)」
ホスト「あ、これ、うちの母親」
母「私、あなたと話したいの」
私「……オーケー……中に入って、話しますか?」
母「そうしましょう!」

ホスト母の登場は予想外だったけど、その第一印象は、「とっても素敵なレディ」だった。ホストの父や祖父といい、ホスト以外の家族は全員第一印象から大好きだ。そんな 気持ちを抱きつつ、ホストとホスト母を家の中に招き入れてダイニングルームに入ったとき、Netflixで「Sex and the City2」の映画を流しっぱなしにしていたことに気づいた私は、慌ててパソコンのオーディオをミュートにする。

映画は、シャーロットの家で働く爆乳ノーブラ派のベビーシッターが、着ていた薄手の白Tがびしょびょになっておっぱい丸出しになっているという何とも陽気なシーンだった。私、ホスト、ホスト母全員で、そのシーンを確認した。

これだから、お風呂あがりのリラックスモードは危険なのだ。Netflixで「Sex and the City2」を流していることなんて、意識の中に一ミリたりとも入っていなかった。

とりあえず映画のことには一切触れることなく、ホスト母が切り出した。

「私は今日、謝りたくてここにきたの」

誠実な対応をしてくれたホスト母・話し合いの内容

ホスト母は、「私は英語がそこまで得意じゃないんだけど……」と前置きした上で、こんなようなことを一生懸命話してくれた。
・物件の貸し出しは、もう20年近く続けている

・でも今回みたいに、ゲストの誰かが病気になって、家から外に出ることができない(チェックアウトができない)状況になったのは20年間で初めての出来事だった

・病気にかかったゲストに対しては本当に心を痛めているけど、あなた(私)の予定を狂わしてしまったことにも本当に心を痛めている。本当に、本当にごめんなさい

そこで私はこう答える

・病気にかかった子どもに対しては、私も本当に早く良くなって欲しいと思っているし、Airbnbサポートに伝えた通り、私が2日待つことでその子が安心して外出できるようになるならば、待つことに関しては100%構わない

・ただ、当日チェックインができないと分かった時点で、ホスト(息子)は私に連絡するべきだったと思う。そうすれば、お互いもっと気持ち良く状況に対応できたはず

・チェックインの時点で強制的に他の物件に移動させるのは、フェアじゃないと思う

・サラエボでの生活を始めるにあたって色々準備したかったけど、選択の余地がない急な予定変更のせいで全部ぱぁになってしまった。それが納得いかなった

・そして繰り返す:私が一番納得できなかったのは、予定していた物件にチェックインできなかったことじゃなくて、ホスト(息子)の対応

それに対して、ホスト(息子)はこう答える

・確かに僕はもっと早めに連絡すべきだった

・でも、僕はYouのタクシー代わりになることで誠意を示したつもりだった

おのれ……という気持ちをぐっと押し殺し、このままではまた「毎回お願いするのがすごい居心地が悪いって言ってるじゃん」「気にするところじゃないから」の堂々巡りが始まることを察し、私はこう告げて終わりにすることにした。

「とにかく、明日には元の物件にチェックインできることだし、もう全部すぎたこととして終わりにしましょう!未宿泊分の宿泊費を返金してもらえたことだし、私はもうそれで十分です。」

するとホスト母が、申し訳なさそうにこう告げた。

「それがね、(4日後の)金曜日までチェックインできないの」

その言葉を聞いた途端、私の呼吸は確実に数秒とまった。それでもホスト母は続ける。途中で英語での説明が難しくなって、ホスト(息子)が代わって続ける。状況はこうだ。

どうやら、その病気にかかった子どもの回復が遅れているらしい。また母国の専門のお医者さんに診てもらう必要があるらしく、そのお医者さんの診療待ちで、あと3日間(木曜日まで)は身動きがとれないのだとか。

また話し合いを行った日の朝、ホストとホスト母でその家族と部屋(私がッチェックインする予定の部屋)の様子を確認しに行ったところ、とんでもなく荒れていたらしい。だからクリーニングに丸1日必要で、私をチェックインさせるまでには後4日必要なのだそうだ。

話を 聞き終えて、あと4日もこの郊外で過ごさなくちゃいけないのかと正直一瞬打ちのめされたのだけど、事情が事情だから仕方がない。平日はどうせ仕事中心だし、週末には中心地にいけることで良しとしようと自分に言い聞かせる。納得しようと努力する。それでも落胆のオーラは隠しようがない。

「でもね、スペシャルオファーを準備したの!」

そう突然告げたホスト母親の顔に、パッと笑顔がともる。

こうして、私、ホスト、ホスト母3人の話し合いは後半に突入した。続く。

▼続編はこちら

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。