• TRAVELING
  • 旅先の観光スポット・グルメ情報・TIPS
観光客であふれるスプリット旧市街・ディオクレティアヌスの宮殿の中心地

クロアチア・スプリットの必見観光スポット11選:3時間で充実の観光!

この記事/ページの目次

観光スポット5:聖ドムニウス大聖堂

聖ドムニウス大聖堂・内部

聖ドムニウス大聖堂・内部

さて、ペリスティル広場周辺の観光はまだまだ続きます。続いて訪れてほしいのが「聖ドムニウス大聖堂」。ここはディオクレティアヌス宮殿の中でももっとも見応えがある観光スポットとして知られています。

ユニークな歴史を持つ聖ドムニウス大聖堂

鐘楼の横にある八角形の形をした建物が聖ドミニウス大聖堂

鐘楼の右側にある八角形の形をした建物が聖ドミニウス大聖堂

聖ドムニウス大聖堂は現在、名前の通りキリスト教徒の聖堂として知られていますが、実はここ、元々はディオクレティアヌス帝のお墓(霊廟)として4世紀に建てられた建物です。ディオクレティアヌス帝が亡くなった後、彼の遺体が入った石棺は予定通りこの聖堂の中央に収容されていたそうですが、7世紀にキリスト教徒らによって破壊され、現在の聖堂へと姿を変えられてしまったという歴史があります。

なぜキリスト教徒たちが彼の石棺とお墓を破壊したのか?その答えは、ディオクレティアヌス帝は「キリスト教徒の大迫害を行った皇帝」でもあるからです。彼が行ったキリスト教迫害により、多くのキリスト教徒たちが犠牲になっています。その中の一人が、現在の聖堂の名前となっている「ドムニウス」。

ドムニウスは、ディオクレティアヌス帝の迫害により殉教した司教です。ディオクレティアヌス帝の石棺を破壊したキリスト教徒らは、かつて彼らの司教だったドムニウスをスプリットの聖人として定め、ディオクレティアヌス帝の霊廟だった建物をドムニウスに捧げる聖堂へと変更しました。聖人となったドムニウスは現在、聖堂の中にある祭壇の一つに祀られています。

歴史とは別に、聖ドムニウス大聖堂の内部には見どころも盛りだくさん

聖ドムニウス大聖堂の内部

聖ドムニウス大聖堂の内部

キリスト教徒を嫌った皇帝のお墓がキリスト教徒の教会になっちゃったというユニークで皮肉な歴史を持つ聖ドムニウス大聖堂ですが、注目すべきは歴史だけではありません。小じんまりとした聖堂の内部には、見どころも盛りだくさん! 聖ドムニウス大聖堂の見どころは次に紹介するジュピター神殿(洗礼室)と合わせて別の記事で詳しく紹介しているので、ぜひそちらも覗いてみてください。

観光スポット6:ジュピター神殿(洗礼室)

洗礼室にあるのは、クロアチアの有名な彫刻家イヴァン・メシュトロヴィッチの作の聖人ヨハネ像

ディオクレティアヌスがスプリットに住んでいた宮殿時代、ローマ神話の最高神である「ジュピター」を祀っていたのが、ここ「ジュピター神殿(のちのキリスト教洗礼室)」。ですが現在の様子からは、そのジュピターを祀っていた当時の様子を感じることはほとんどできません。

なぜならこの建物も、先の聖ドムニウス大聖堂同様、皇帝の死後キリスト教徒らの手によって神殿から洗礼室へと変えられたという歴史を持っているからです。そしてこのジュピター神殿(洗礼室)にも、ディオクレティアヌス帝にまつわる面白いストーリーが秘められています。

聖ドムニウス大聖堂の見どころと合わせて、以下の記事でジュピター神殿(洗礼室)にまつわるストーリーも紹介しています。ディオクレティアヌス帝がどんな思いでこのジュピター神殿を建てたのか、ディオクレティアヌス帝がかつて見た夢に、思いを馳せてみるなんて、いかがですか?:)

>>ディオクレティアヌスが辿った皮肉な運命とは?聖ドムニウス大聖堂とジュピター神殿を訪れる前に知っておきたいストーリーとその見どころ

観光スポット7:スプリット旧市街一狭い道「Let me pass street」

日本語で言うと「通してちょうだい」通行路

さて、ジュピター神殿(洗礼室)まで来たら絶対に欠かせないのが、神殿を正面に見て左側にあるこちらのとても狭い通路です。大人一人通るので精一杯の幅しかないこの道は「Let me pass Street(通してちょうだいう通行路)」と呼ばれ、観光客はもちろん、多くの地元の人にも親しまれている道です。

その狭さは、世界中にある道の中で最も狭い通路の一つとして数えられているほど。そしてこんなに狭い幅ですが、ここもれっきとした通路。場所と場所を結ぶ道としてしっかり機能しているので、スプリットを訪れた記念にぜひ通行し、「世界で最も狭い道の一つを通ったよ」というお土産話として持ち帰ってくださいね。

観光スポット8:金の門(北門)

スプリットのディオクレティアヌス宮殿・金の門

4つの門の中で一番しっかりしている造りの金の門

スプリット旧市街の中心・ペリスティル広場周辺の主要観光スポットを堪能した後は、いよいよディオクレティアヌス宮殿のメインゲート、宮殿にある4つの門の中で最も大きくて立派な「金の門」へと足を運びましょう。

ここは宮殿のメインゲートというだけあって、正面にはかつて豪華な装飾が施されていました。その例として、現在は空の状態となっている壁の窪み部分には、ディオクレティアヌス帝自身を含む4人のローマ皇帝の肖像が飾られていたそうです。

ちなみにこの金の門は二重門の作りになっています。外部から急な侵入や攻撃を受けたとしても、宮殿内には簡単に入ることができない仕様になっているのが特徴です。

金の門でも、かつての宮殿時代の名残を探してみて

宮殿時代の金の門の様子

金の門でも、宮殿時代の名残を見つけることができます。まずは宮殿時代だった頃の金の門を再現している上の写真をじっくり見てください。門の両サイドには、2つの大きな八角塔が取り付けられていたのが確認できます。ですがこの2つの塔、現在の金の門には付いていません。

壁に使われている石の違いをよく見てみて

そう、宮殿の改修を重ねていく過程で、宮殿時代に壁に取り付けられていたこの2つの塔を含む16の塔のほとんどが取り壊されてしまったのです(現存しているのは4つのみ)。かつての八角塔の姿を見ることは残念ながらできませんが、「ここに塔があったんだな」という名残を確認することはできます。

その方法が、壁に使われている「石の素材の違い」を見つけること。金の門の左右の壁をよくよく見てみると、ある一定の部分だけ、細かな石が使われていることを確認することができます。そこが、かつて八角塔が設置されていた場所です。素材の異なる石が使われている壁の幅からも、かつてここに塔があったことをイメージすることができます。

入り口を見上げると、ケンタウロスの顔像

多くの人が素通りしていくケンタウロスの顔像

金の門に来た時、忘れてほしくないもう一つのお楽しみがあります。金の門の入り口をくぐる際、そのままくぐってしまわずに、立ち止まって顔をあげてみてください。こちらをじっと見つめている、2つのケンタウロスの顔像を確認することができます。

ピンとした耳がケンタウロスであることを示している

ケンタウロスは、ギリシャ神話に出てくる半人半馬の怪獣です。馬の体がないのにこれがケンタウロスであると言える理由は、その特徴的な耳の形から。ケンタウロスの耳は馬の耳をしており、ピンとしているのが特徴ですが、この2つの顔像の耳も、人間の耳ではなくケンタウロスの耳をしています。

ちなみにこのケンタウロスが正門に装飾されている理由としては、魔除けとしての意味合いだろうというのが最も有力な説だと言われています。

多くの観光客が素通りしてしまうこのケンタウロスの顔像ですが、ディオクレティアヌス帝の宮殿が細部までこだってデザインされていたということを感じる小さな発見も、ぜひ楽しんでみてください。

さて、いよいよ次はスプリットのパワースポット的存在のあのお方。

関連記事一覧